第１８話　ミリーナが朝早くから待っていた

「あぁ、頼む……」翌日のエッチな約束をした。

　興奮した俺は、夢中で腰を動かし体を密着させた。

「あ、あ、あっ、んっ……んっ……はぁ♡　はぁ♡　ユウさん……ちゅぅ……♡」エリー甘い声に、可愛らしい表情と仕草で、興奮し絶頂を迎えそうだった。

　エリーの柔らかなきれいな胸を触りながら射精をした。

「ユウさん……次は、後ろから……どうですか？　あれ、すごかったです……奥に、ずんっずんっ……って……」と俺の首に腕を回して、恥ずかしそうに耳元で色っぽく誘ってきた。

「今、出してるんだけどな……。もう……次の話か？」と答えた。

「むぅ……これで、終わりなのですか？　あの、あと一回……しましょう？」とアソコをヒクヒクとさせたエリーが、不満そうな顔をして言い返してきた。

「当然だろ……」と答えた。射精中なので、エリーに体を密着させて、奥に出すようにグリグリと押し付けた。

「あぅ……♡　それ……気持ちいい……。あぁ……んっ♡」

　それから、何度もエッチを繰り返しお互いに満足し合うと、やっと湯に浸かった。お互いに求めあっていることが実感できて、幸せな時を過ごせた。

　まあ、普通なら痛みが出そうだが、こっそりと回復魔法で予防と対処をしてある。

「はぅ……。お湯気持ちいいですね……。」と俺の膝の上で、甘えて俺の頰に頬ずりをして言ってきた。

「な、お風呂最高だよな。」エリーが甘えてくるの可愛いよな。と思いながら抱きしめた。

「そうでした、えっと……その、わたし、考えたのですが……会計士の女の子ですけど……」と、真面目な顔をしてエリーが言ってきた。

「ん？　明日、会う人か？」

「そうです。その子……うちに必要だと思うのですよ。いろいろと詳しくて……良い子だと聞きましたし……ユウさんは、どう思っているのです？　好きになれそうですか？」と言われた。

「ん？　え？　専属契約とかじゃなくてか？」と驚いた顔で聞き返した。

「はい。専属契約は、当たり前ですよ。会計士なので、資産と機密情報を扱うわけですから。裏切りとか……情報の流出とかよく聞きますし。家族になって頂ければ、裏切らないですよね……」とエリーが言ってきた。

　この世界の常識なのか？　王族としての考えなのか……？　政略結婚が当たり前の世界だしな。他の国では、裏切られないように娘を差し出させたりするんだもんな……。エリーは、他国や有力な貴族の者と結婚をさせられる予定だっただろうし。

「考えておくな……。でも、エリーは平気なのか？」と聞いた。

「平気じゃないですけど……。んぅ……必要なことなので……仕方ないですよぅ。もやもやします……。でも、もやもやで済むのなら良いです。最悪、ひどい裏切りにあい、家族崩壊するよりはマシじゃないですか……」と言われて納得した。

　前世の記憶なら、あり得ない結婚の仕方だけど……と思ったが、前世の記憶でも玉の輿とか同じような感じだよな。好きでもない人と、お金や権力を得るために結婚するのと変わらないか。

　そもそも相手の子の意思もあるし……どうなんだろ？　いい雰囲気ではあったかな……。成り行き次第ってところだな。

「いろいろと考えてくれて、ありがとうな」と、エリーの頭を撫でた。

「当然ですよ、この生活を壊したくないですし……ユウさん……と共に過ごすためですから♡」と甘えてくるエリーが愛おしい。

「なんか、裏切りみたいで……ツライんだよな〜」と呟いた。

「わたしも、ツライんですよぅ……？　ユウさんも頑張ってくださいっ♡」と、俺の頰に頬ずりをしてきた。

♢・♢・♢

　朝早く、店へ向かうと――ミリーナが店の中で寛いでいた。

　彼女は黄色のワンピースを身にまとい、裾には可憐なレースの縁取りが施されている。ピンク色の髪との相性も抜群で、その姿はまるで花が咲いたように鮮やかで可愛らしい。

　交渉に向かうために、おしゃれをしているのだろうか……？

　そう考えながらも、その装いはどうにもデートに向かうような雰囲気を醸し出していた。

　華やかでありながら、どこか軽やかさを感じる服装。交渉の場にふさわしい洗練された雰囲気を意識したのか、それとも――単純に気持ちが弾む何かがあるのか。

　ミリーナの意図を探りながら、俺は静かに彼女の様子を見つめた。

　この世界の常識は、俺にとってまだ未知の領域だ。

　俺は長い間、森にこもって過ごしていたせいで、一般的な感覚が欠落している。思い浮かぶのは――前世の常識ばかりだ。

　買い物の習慣も、商売の流れも、人々の価値観も―― この世界に生きる者たちにとっては当然のことでも、俺にとってはまだ馴染みのないものばかり。

　たとえば、礼儀作法ひとつとっても、知らず知らずのうちに前世の基準で動いてしまう。それが相手にとって問題にならないこともあるが、時に違和感を生むこともある。

　森で過ごしていた時間は、俺にとっての"常識"を形作った。だが、それがこの世界と噛み合うとは限らない。この世界の人々が当たり前にしていることが、俺にはまだわからないことも多い。

　世界との距離を埋めるには、もう少しこの世界を歩いてみる必要がありそうだ。

「ユウさん、おはようございます。お早いですね。」柔らかく微笑みながら、ミリーナがそう声を掛ける。

　――いや、実際に早いのはミリーナの方だろう。

　俺が店へ来る前からすでにここにいる。

　収入がないのなら、店で食べるのも当然のことだ。俺が雇い主なんだから――それも仕方のない話で、昼食と、夕食をという契約だからな。朝食も食べに来たのかもな。

　けれど、もし理由が違ったら？　俺に早く会いたかったから？　俺を待たせないように、早く来た……？

　そんなことを考えるが――いや、それはさすがにないか。俺は軽く息をつきながら、ミリーナの様子を伺う。

「わぁ、可愛い……ですね。わたしエリーです。よろしくお願いしますね♪」と、さっそくエリーが自己紹介をした。昨日もエリーは同席をしていたんだけど、朝方まで起きていたから寝てたんだよな。

「わたしはミリーナです。こちらこそ、よろしくお願いします」と深々と頭を下げると、サラサラなピンク色の髪の毛がサラサラっと垂れ朝日にキラキラと輝いて見えた。

「えっと……わたし、その……経済的に厳しくて……。その、朝食をご馳走になっちゃったのです……」と正直に言ってきたが、チラチラと俺を見て頰を赤くさせていた。

「あぁ、問題ないぞ。契約では昼食と夕食と言っていたが、朝食も加えるか」と言うとミリーナが目を輝かせた。

「それは、助かるのです。はぁ……これで心配無く生きていけるのです。」とミリーナが呟いた。